テレヘッドの開発

ユーザーの頭の動きにダミーヘッドを追従させて、 そのダミーヘッドで集音した音をユーザーに聴かせるシステム、 テレヘッドを作成してみました。 2009年度の卒業研究の1つです。

もとになっているのは NTTの研究です(NTTのものは3軸で動きますが、こちらは水平回転のみです)。 人が耳で音源の位置を知る(音源定位)ときには、音源から左右の耳に届く音の違い、 頭や耳や胴での反射による音の変化の情報に加えて、 頭部の動きによる音の変化の情報も手がかりになっていることがわかってきました。 この知見を利用して遠隔地の音場を再現しようとするのがテレヘッドです。

■ システム構成

ユーザーがかぶっているヘッドフォンの頭頂部には モーションセンサがついています。これでユーザーの頭の回転を測定します。 測定した回転角を 制御マイコンに送り、 サーボモーター を制御しています。滑かに動くように調整するのにはけっこう苦労しました。 現時点では60 ms程度の遅れで頭の動きに追従しています。

サーボモーターの上に載っている頭は、東急ハンズで売っているマネキンに、人の耳の型から紙粘土で作った耳介が取り付けてあります。この耳介には耳の穴が開けてあって、そこに小型全指向性マイクが仕込んであります。

耳の作成に使ったのは、 熱でやわかくなるシリコンです。 熱さに耐えながら両耳の型を取りました。

■ 聴こえ

耳の型を提供した本人は、頭を動かさなくてもかなり正確に定位する(音源の方向がわかる)ようです。 本人以外の場合は、頭を動かすとまずまずの定位感が得られるようです。 中にはかなり正確に定位できる人もいて、この違いの理由は興味深いところです。

■ 課題

動画を見ていただくと(聞いていただくと)わかるように、 サーボモータの騒音がけっこう大きく、これを抑えるのが1つ目の課題です。 また、追従の遅れもありますので、できるだけ小さくしていく必要があります。

本研究の一部は、2009年度甲南大学平生太郎基金科学研究奨励助成金の支援を受けました。



Last updated on Feb. 18 2010.
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